ある日のこと、ブッダは、強盗に脅迫され殺されそうになりました。「どうか最後の親切だと思って、私の死に際の願いをかなえてください」とブッダは言いました。「あの木の根元を切ってくれませんか」。刀で一切り、木は切り落とされました。「次はなんだ?」強盗は尋ねました。「それをもう一度もとに戻してくれませんか」とブッダは言いました。強盗は笑って「誰がそんなことができるもんか、頭でもおかしいんじゃないか」。そしてブッダはこう言ったのです。「自分は力があるから、人を傷つけたり破壊したりできるのだと信じているあなたのほうこそ頭がおかしいのです。それは子供のすることです。本当の強き者は、創造し、癒すことを知っているのです」。
(From “The Heart of the Enlightened” by Anthony deMello, 35-6)