心乱れたクライアント(患者)は、精神科医に言いました。「どこにいっても、自分を連れていかなければならない、それが全てをめちゃくちゃにするんだ」。
あなたが逃げようとするものと、あなたが切望するものは、いつもあなたの心の中にあるのです。
ある弟子がムスリムの師Maruf Karkhiのところにやって来てこういいました。
「あなたのことを話していたのです。ユダヤ人は、あなたがユダヤ人の一人だといっています。キリスト教信者は、あなたは彼らの聖者の一人だとみなしています。そしてムスリムは、イスラムの栄光としてあなたを崇拝しています」。
Marufは答えました。「バグダッドでは、そう人々は言っているようだね。しかしエルサレムに住んでいた頃は、ユダヤ人は私のことをキリスト教信者だと呼び、キリスト教信者はムスリムと呼び、ムスリムは、私のことをユダヤ人だと呼んだものだ」。
「それでは、あなたは 自分のことをどう思っているのですか?」
「私はこういう人間だと思って欲しい。つまり、私のことを理解できないものは、私を崇めるのだよ。そして私を罵倒する者は、私のことを理解していないのだよ」。
もし自分のことを、友達や敵が「あなたはこういう人だ」と言っている通りだと思うのなら、実際、あなたは自分のことを知らないのです。 (From “The Heart of the Enlightened” by Anthony deMello)