困難に遭遇した時にこそ、私達が育てることが可能な「成長(成熟)」は、伝統的な話、毒入りの木に語られています。はじめて毒入りの木を発見すると、人はその危険性だけを察知します。即座の反応は、「傷つく前に、この木を切ってしまおう」。誰かがこの毒入りの果物を食べてしまう前に切ってしまおう」です。これは、人生で困難に遭遇した時、攻撃、強制、欲、恐怖心、ストレス、喪失、対立、うつ病、悲しみに直面した時の、私達の最初の反応と類似しています。最初の反応は、避けることであり、「これは、私達に有毒だよ。根こそぎとってしまおう。取り除いてしまおう。切ってしまおう」なのです。
また、もう少しスピリチュアルな道のジャーニーを続けた人は、この毒入りの木を発見しても、そんなに嫌悪感は持ちません。人生にオープンであることは、心のこもった深い思いやりを、取り巻く全てのものに対して持つことだと認識しているからです。毒入りの木が、実は自分の一部であると知っていて、「切り取るのはやめよう。代わりに、この木にも思いやりを持とうではないか。」 そして、その優しさによって、誰かが毒の影響を受けないように、そして木もこのまま生き続けることができるようにと木の周りにフェンスを作りました。この2番目のアプローチは、偏った判断や恐怖心ではなく、思いやりに満ちた人間関係へとシフトさせるとても尊いものです。
3番目のタイプの人は、スピリチュアルな人生をさらに深く旅した人。同じ木を見た時にこのような態度をとりました。このタイプの人は、多くのビジョンを培っているので、「おお。毒入りの木だね。いいじゃないか。探していたんだよ!」。そしてこの毒入りの実を拾い、観察し、他の材料と混ぜて、病んだ者を助け、世界中の病気を癒す薬を作るために作り変えました。尊敬と理解をもって、このタイプの人は、ほとんどの人がみる見方とは全く反対の見方で、最も困難な状況の中においても、尊敬と理解を忘れず、その価値を見つけることができるのです。
人生で失望と障害に遭遇したら、あなたはどうしていますか? どのような案で、困難と喪失に対応していますか? このような困難な状況のど真ん中にいる時にこそ、自由、思いやり、そして理解を深めることができるように、あなたのスピリットはどう変わりますか?(From the book “A Path With Heart” by Jack Kornfield, p. 78)