2、3百年前、コンゴ川が形作られ、渓谷は北と南に分かれた。
両岸に分かれたチンパンジーは互いを見ることはできたが、川を渡れなかったため、二度と会うことができなかった。
年月が過ぎるにつれ、それぞれにはだんだん違いができてきた。南側の種族は、メスを彼らのリーダーにし、一方北側の種族は、オスに率いられた。南側は平和だったが、北側では力による縄張り争いが起こった。
南側の種族は黒っぽい顔にピンク色の唇を持ち、若干体が小さいので、私たちは彼らをピグミーチンパンジー、あるいはボノボと呼んだ。彼らは絶滅危惧種であり、北側の種族である普通のチンパンジーよりもずっと数が少ないが、それはまた別の話である。

私たち人間は泳いで川を、さらには海をも渡ることができるが、目に見えない自分たちだけの境界線を作っている。私たちすべてが同意して見ている、地図上の線である。
私たちは部族や国に分かれ、そして時間の経過とともにそれぞれの違いは大きくなる。私たちが話す言葉、皮膚の色、お祈りの仕方。それらは、私たちがそこに立って互いを見ているただの川の土手である。
私たちは、自分たちが違うことを否定できない。時として、私たちの価値観や生活様式が合わないのはよくあることである。しかし結局のところ、私たちはみな等しく愚かで、同じ物を求め、同じ過ちを犯す。
多分、私たちはそんなに違わないのではないだろうか。チンパンジーには、おそらく私たちはみな同じに見えるのではないだろうか。
どうぞしあわせなサル年を!

(アキの翻訳)

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