誰しも時として、忙しすぎて身近に起きているよいできごとにちゃんと気づけなかったり、いろいろなことで落ち込んで物事の悪い面しか見えなくなってしまうことがあります。でも、少し時間に余裕ができて、人生がまた明るくなってきたと感じられるようになったら、しばし立ち止まって自分の周囲で起きているすばらしいできごとをしっかりと意識してみてください。美しい春は絶好の季節です。
私が伝えたいのは「次から次へと自然が見せてくれる奇跡を信じないでいることなんてできようものか」ということです。例えば地面低く這う蟹を見てください。古い住処(殻)を脱ぎ捨てて自ら再び新しい住処を築いています。あるいは嫌われ者の蜘蛛はどうでしょう。重量あたりにすると鋼鉄よりも強い糸を紡いでくもの巣を作っています。ミツバチは地図なしでも迷うことなく飛び回っていますし、泥でできたシロアリの巣は中の温度を一定に保っています。あの気持ちの悪い毛虫でさえさなぎを作り美しい蝶に生まれ変わっています。中でもとりわけ不思議なのは「緑色の動かぬ生き物」、植物です。植物は、水と土だけの「生命のないもの」から生命を作り、日光という「物質ではないもの」から食物を生み出すことができます。この自然の営みよりおもしろい物語を作ることなんて誰にもできっこないと思います。
ここに挙げたのはほんの数例に過ぎませんが、奇跡は、目に見えるものも見えないものもみな常に私たちのそばで起きています。目と心を開いて奇跡を感じることができれば、この地球というかけがえのない星に対して謙虚、畏敬、感謝の念が湧いてくるはずです。ぜひスピリットを感じてください!(Asako Takioの翻訳)