3月に起こった3つの惨事の後、地震、津波、原発の緊急事態、そしてそれを取りまき続ける苦しみや憂いの中では、絶望して呆然となり、結果的に何もできないようになってしまうのは容易い事であります。しかしこの悲劇には、私達の行き方に潤いを与える「ちから」があるという側面もあります。

例えば何百万人もの心優しい人々による前代未聞の金銭と物資の寄付活動が続いています。また福島原発作業員の方々の英雄的な―自分の命をも顧みず、他人の安心安全を願う―行動があります。あるいは困っている人をできる限りボランティアで助けたいと願う大多数の方々や救助隊員がいます。まさにこういう時、影響を受けている人達の痛みを感じるときに、私達の中の本当の人間が出てくるのです。この苦しみは「もっと人を思いやり、人に与える生き方」というものに形を変えます。問題はこの心を日常生活の中でいかに保つかということです。

この津波と東北の方々の苦しみを初めて見たときのショックを度々思い起こしてください。胸が苦しくなった事も、できることなら何でもやろうと思ったことも憶えておいてください。それを常に持っていて寄り添っていてください。それを糧に、今どんなに小さくても、未来にでも何か行動してください。そんな心である事で、より良い社会―分かち合う事や思いやる事が普通の社会―を作る力を持つ事ができます。この惨事は日本に空しさを感じさせるものですが、もし私達が選べばですが、思いやりの心のタネを植えつけて被災者やそのほかの天災や人災で苦しむ人々への善意の行動を増やす道へと歩ませることもできます。

私達がこの女性の言の葉を共に歩んでいけますように:
「私が大きくなったら、自分の子どもや孫に『おばあちゃんが若かった頃、日本で大地震があって、それをキッカケに世界が一つになったの。そして、皆お互いを支えるためにとってもがんばって働いたのよ』と話したいです。こんな話ができるように、私は一生懸命立て直すために働きたいです。」(レミの翻訳)

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